長くベルンに在住の画家・横井照子さんの展覧会がベルン美術館にて好評開催中です。 95歳にして現役、少女のようなはつらつとしたエネルギーに溢れる横井さん。クッキーのKambly社やUBS銀行をはじめ著名人にもファンが多く、各種メディアでも注目されています。

お申込みはこちら…
日 時:2020年2月29日(土曜日)14:00~(開始5分前までに集合)
場 所:ベルン美術館 Kunstmuseum Bern (Hodlerstrasse 12, 3011 Bern)
参加費:会員10フラン(各日本人会共通)、非会員30フラン
申込み:2月27日までにメールにてnipponjinkai☆gmail.com(☆を@に変えてください) 担当:シェンカー雅子

・ Museumpass等の特待券の有無、日本人会会員の場合どちらの日本人会かをお知らせください
・ メールの表題に「横井展申込み」と明記してください
・ お申込み後3日以内に確認メールを受信できない場合は再度ご連絡ください

この展覧会のカタログに執筆されたお二人、パウルクレー研究で著名な奥田修さん( パウルクレーセンター研究員 )と、横井照子さんの映画を制作中の美術史家・里信邦子さんをお迎えします。 作品ついての解説はもちろん、 インタビューを通して明らかになってきた横井さんの人生や感動秘話なども織り交ぜて案内していただく特別な鑑賞会です。今回の貴重な機会をお見逃しなく!多くの方のご参加をお待ちしております!

ご案内いただく里信さんからのメッセージです!

 はじめまして。横井照子展のカタログに奥田修と共同執筆した里信邦子です。
 同展は、有名な夫の陰に隠 れてきた女性画家に光をあてる、そして初期50、60年代の作品に絞るというベルン美術館のコンセプト からできています。ではその有名な夫は?というと、サム・フランシスです。彼にニューヨークで出会い、 誕生した娘と3人でパリに移るのですが、その直後に破局が訪れる。横井さんは結局62年ベルンに居を 据え、シングルマザーとして娘を育てながら画業に励むのです。こうした波乱に富む人生はテーマとして興 味深いものですが、それは他の執筆者に任せて私たちは、初期の作品に見られる「日本的な要素」にのみ 注目し、いわば造形的分析に徹底しようとしたのです。
 ところが、彼女の絵画世界は文学・歴史に基づくイマジネーションに満ちてもいるんです。初期の代表的 モチーフに「ひし形」がありますが、この形は何を表現しているのか?をテーマの一つにして探っていくう ち、ひし形が使われている「木村重成、若い侍」というタイトルの作品に出会いました。みなさん、木村重 成をご存知でしょうか? 彼は豊臣秀頼に仕え、大坂夏の陣で若くして戦いに散った侍。しかも美貌だっ たとか。横井さんの若かりし頃、木村重成は一つのブームになっており、彼を知っているか?と尋ねると目 を輝かせ「もちろん。豊臣の美しい侍でしょ。私の家は敵の北条方だったので、彼の話が友達の間で出る と肩身の狭い思いをしたわ」と。では、このひし形と木村重成の関係は? その答えは、鑑賞会の時にお 話ししましょう。
 初めて横井さんに会ったのは、今お住いの高齢者用アパート一階にあるカフェ。「今起きたところ。 キャピテン村上が夢に現れてね」と言いながら現れた横井さん。キャピテン村上とは、横井さんが渡米し た時の船の船長で彼女のことを娘のように気にかけてくれた恩人。「彼は村上水軍の末裔だと言ってい た。あなた村上水軍知ってる?」と突然の質問。「はい。父の生まれた島は村上水軍が祀ってある島のそ ばで、よく知っています」と答えると、「ああ、あなたも村上水軍の末裔だわ。だから村上キャピテンが 今日あなたに会うと言いに来たんだわ」と。いや、それはどうでしょうと言うと、「いいの。私はそんな 夢のある話が好きなの」と遠くを見つめる横井さん。その瞬間、ベルンのカフェが瀬戸内海の海へと変貌 して見えたのは私1人ではないはず。横井さんの頭の中には、このようなイマジネーションによってできた 「絵」が数々あり、それが時にキャンバスに映し出されるのではないか・・・。横井さんの短いドキュメ ンタリー映画を作りたいと思ったのも、日本の海が見えたこの瞬間でした。映画の話も鑑賞会の時にいたしましょう。 。