《 4月のイベント感想文:Kunsthaus ビュールレ・コレクション展示室ガイドツアー感想文》

《 4月のイベント感想文:Kunsthaus ビュールレ・コレクション展示室ガイドツアー感想文》

«Eine Zukunft für die Vergangenheit.
Sammlung Bührle: Kunst, Kontext, Krieg und Konflikt»

新展示は運命に翻弄された絵画「少女イレーヌ」から始まり、ビュールレの購入・所有し
た年代順に配置され、同時にその歴史的背景やユダヤ人収集家が所有していた作品の来歴
(プロヴェナンス)を追うことできる。展示についてのコメントを流すビデオや、ユダヤ
人収集家たちが辿った運命の解説などのコーナーがあり、最後の来歴調査のコーナーで
は来館者がだれでも意見を提出できる。これらの内容を柿沼万里江さんによる名解説で
今回も堪能した。ナチスが退廃芸術と非難して多くのユダヤ人から美術作品を没収し結
局は価値を知っていて売れることも視野に入れていたことなどや、ビュールレ・コレク
ションの歴史(光と闇)。今回の新展示は、公開1週間前、それまで組織内で数々の提言
を行ってきた学術審議会が一斉に辞任してしまった。その騒動の背景や今後の展開など、多
岐にわたる興味深い解説を聞きながら鑑賞した。さらに、いくつかの作品についての解説も
していただいた。美術館の意義、スイスの歴史、いろいろと考えさせられる展示だった。

このような貴重な機会を柿沼万里江さん、JCZ企画の皆様ありがとうございました。