《 企画感想文：メルツバッハー・コレクション展ガイドツアー感想文》

Kunsthaus Zürich の新館には3 つの個人コレクション展示会場があります。今回其のうちの一つメルツバッハー・コレクションを柿沼さんの奥の深い解説に魅了されながら鑑賞しました。フランス画家の部屋から始まり、特に正面にある収集家の色彩への拘りが伝わってくる鮮やかな2枚の絵、大きな壺に活けられた生花の香り、そしてドイツ画家達の力強い濃厚な色彩画へと続き、最後にはPipilotti-Ristの音、光で癒され、全てを考慮し、細部に至るまで計算された展示に感動。94歳でご健在のMerzbacher夫妻はユダヤ系ドイツ人で、過去の辛い人生の中スイスに助けられた感謝の気持ちと幸福になってくださいというメッセージを込めてコレクション200点のうち65点の展示の場を設けられたそうです。絵画は絵からの印象、画家の技法だけでなく、時代背景、画家の人生、収集家の嗜好、思い、そうしたものを総合して鑑賞するともっと理解でき、楽しくなることを柿沼さんから教わったような気がします。こうした機会を頂き、有難うございました。
（C.W.）